S pajero

【世界名車クロニクル】三菱・パジェロ(1981)

2015.03.04
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RV車=パジェロという地位を築いた1台

◯多彩なボディ&エンジンバリエーションを誇る

ジープを販売していた三菱が、高いオフロード性能と乗用車的な快適性を両立する新しい四輪駆動車として1982年5月より販売開始したのがパジェロだ。

ピックアップトラックのフォルテをベースとしたSUVのパジェロは、初代から最新モデルまで全て、かつてジープを生産していた岐阜県坂祝町にあるパジェロ製造株式会社で製造されている。

ボディサイズは全長4475mm×全幅1680mm×全高1975mm(エステートバンDX)。発売当初は4ナンバー登録のメタルトップバンとキャンバストップのみだったが、翌1983年に5ナンバーモデルのメタルトップワゴンが登場したのを皮切りに、ホイールベースとボディが延長されハイルーフ化された4ドアのエステートワゴンとバン、そして1986年にはミッドルーフ、そして1989年にはオーバーフェンダーを採用したワイドシリーズがラインナップされた。

エンジンはガソリンが2L直4SOHC、直4SOHCターボ、3LV6SOHC。ディーゼルが2.3L直4SOHC、2.3Lターボ、2.5Lターボそして2.5Lインタークーラーターボの7種類。新車時価格は159万~443万円。

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◯夏はビーチ、冬はゲレンデへ行くためのパートナー

ハリアーやCX-5に代表される現在のSUVブーム。その礎を作ったのが1982年に登場した三菱・パジェロだろう。パジェロが登場する前はトヨタ・ランドクルーザーや日産・サファリ、そして三菱・ジープといった通称クロカンと呼ばれるヘビーデューティーなクロスカントリー4WDが主流だった。現在ではその武骨でワイルドなデザインは女性にも受けるのだが、2ドアクーペが人気だった時代では、あまりにも男臭くて、全く受け入れられなかった。

もちろん、パジェロも過酷なパリダカールラリーに参戦して度々優勝を飾るなど、クロカン4WDとしての評価は高かったのだが、居住性を重視した7人乗りのワゴンや悪路走破性とオンロードでの走りを両立したサスペンションなどによってRV(レクリエーションビークル)という新しいカテゴリーの開拓に成功する。

同じクロカン4WDの中では後発モデルであるランクルやサファリを抑えて、クロカン4WD=パジェロという図式を作ることに成功する。後に登場するハイラックスサーフやテラノとともに、高い悪路走破性と乗用車に近い乗り心地によって夏はサーフィンをするために海へ、そして冬はスキーをするためにゲレンデへいく相棒として若者から高い支持を得た。

2ドアクーペのソアラやプレリュードがモテクルマとして注目されていた時代に、新たなムーブメントが幕を開けていたのである。その後の両カテゴリの結果は明白で、2ドアクーペはバブル景気を栄えに人気は急降下し2000年にはほぼ絶滅状態に。

一方のパジェロが築いたRVブームはその後、ラダーフレームではなく、乗用車のモノコックを採用し、より乗用車に近い乗り心地を実現したトヨタ・ハリアーなどのSUVの登場によって盤石のものとなった。一時代を築いたパジェロは現在でも本格派クロカン4WDとしてのポジションを維持し、三菱からはPHEVを用意するアウトランダーがSUVとして登場している。
 
2014年にトヨタ・ランドクルーザー70が復刻版として発売され、人気となっている。もし初代パジェロがリバイバルとして登場すると、もっと人気が出るのかもしれない。


萩原文博(自動車ジャーナリスト)
中古車情報誌「カーセンサー」の編集部に大学在学中から18年在籍し、フリーランスの編集者となる。新車、中古車を問わずお得な買い方を紹介するバイヤーズガイドなどを得意とする。常に中古車相場をウォッチし中古車相場師とも呼ばれている。

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