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【世界名車クロニクル】ダイハツ・シャレード(1983)

2015.03.08
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"デ・トマソ"、この響きだけで期待度は50%増し

◯猫科ターボの異名をもつ
1983年1月に2代目となるダイハツ・シャレードが登場。先代より大型化されたボディサイズは全長3550mm×全幅1550mm×1390mmで室内空間が拡大した。

エンジンラインナップは乗用車用としては世界最小排気量だった1L直3SOHCディーゼル、ディーゼルターボをはじめ、ガソリンでは1L直3SOHC、そして猫科ターボと呼ばれた直3ターボが設定されていた。

2代目シャレードの最大のトピックスは当時ダイハツとエンジン供給契約を結んだデ・トマソが内外装を手掛けたシャレード・デ・トマソターボの存在だ。初代では設定されなかったが、1984年1月に発売。フロントグリルにはパンテーラと同じデ・トマソのエンブレムが装着された。低回転域からターボによって加速し、ハードにセッティングされたサスによる走りはまさに猫科の走りそのものだった。

また、市販化はされなかったが、エンジンを後部座席に搭載した2シーターミッドシップモデルシャレードデ・トマソ926Rというモデルが1985年の東京モーターショーに参考出品された。

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◯激戦の2BOX車の中で個性を打ち出しリード

デートカーという言葉が浸透し、クルマが若者の必須アイテムとなった80年初頭。各自動車メーカーはリッターカーというコンパクトカーを競って発売する。

その先駆者といえるのが、1981年に登場したホンダ・シティ。搭載するエンジンは1.2Lながらコンパクトなボディサイズと割安な価格で大ヒットモデルとなる。続いて登場するのが日産・マーチ。プロモーションに当時人気アイドルだった近藤真彦を起用し「マッチのマーチ」というキャッチフレーズに男性だけでなく、女性ファンも獲得していった。

そしてダイハツシャレードは1983年1月にフルモデルチェンジを行い2代目へと進化する。猫科ターボと呼ばれた1L直3ターボや1Lディーゼルターボという独特なパワートレインを用意しているが、プロモーション的にイマイチパンチがなかった。

ダイハツが最もライバル視しているスズキからカルタスが登場する。GM(ゼネラルモータースと共同開発したリッターカーだ。TV-CMには当時刑事ドラマなどに出演していた舘ひろしを起用し、「オレ・タチ、カルタス」という言葉を良く耳にすることに。

カルタスが登場した2カ月後の1984年1月にシャレードはパンテーラというスーパーカーを製造したイタリアの自動車メーカー、デ・トマソがデザインを担当した、シャレード・デ・トマソターボを発売。パンテーラを作ったデ・トマソが手掛けたという事実を物語るエンブレムだけたちまち大ヒットした。

自動車メーカーが若者向けに様々なプロモーション活動を行い始めたのもこの時期でこのTV-CFに有名人を起用したり、有名ブランドとコラボレーションし始めたのもこの時期からだ。

実はシャレード・デ・トマソが発売されたのは2代目からだったが、実は初代でも企画はされていた。いくら性能が良くても実際に売れるのかどうかはわからない。しかし80年代になってシャレードを取り巻く環境の変化、クルマのプロモーションの変化によってシャレード・デ・トマソが誕生したのではないだろうか。私には思えてならない。


萩原文博(自動車ジャーナリスト)
中古車情報誌「カーセンサー」の編集部に大学在学中から18年在籍し、フリーランスの編集者となる。新車、中古車を問わずお得な買い方を紹介するバイヤーズガイドなどを得意とする。常に中古車相場をウォッチし中古車相場師とも呼ばれている。

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